教育の情報化
2019年8月、本校は「学校情報化 優良校」に認定されました。(県内高等学校では第1号です)
学校情報化優良校は、教育の情報化に総合的に取り組み、
情報化によって教育の質の向上を実現している学校を「JAET日本教育工学協会」が認定するものです。
オンライン授業による学びの継続の取組み
一人1台PC環境整備と活用説明会の様子
ICT × 授業改革
2016年に文部科学省が提示した「教育の情報化加速化プラン」や新学習指導要領への改定を見据え、校内全域の高速無線LANを整備、全教室には電子黒板、書画カメラ、ノートPCを常設しました。これらはサーバーに接続されており、教員はアナログコンテンツに加え、様々なデジタルコンテンツを自由自在に活用して授業を行っています。
デジタル教材の作成や活用方法よりも、「主体的・対話的で深い学び」のためには、何を映すべきかという点に教員の経験と知恵を注ぐことで、教育の情報化を全職員で形にし、その取り組みは、シャープマーケティングジャパン株式会社様のホームページの活用事例のページに掲載されるなど、注目していただいています。
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ICT機器を活用した授業の特徴的なシーンは、生徒のみなさんが取り組んだノートやプリントを映す場面です。発表はもちろんですが、授業の振り返りやまとめで活用することで、主体的な学びの効果を高めます。全科目で取り入れており、本校の授業の特長の一つとなっています。
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国語の授業では、予め用意したスライドを映して板書の時間を大幅に削減。問いかけや解説など生徒のみなさんと向き合う時間を最大化しています。
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英語の授業では、様々なデジタルコンテンツを活用。ネイティブ音源を活用してリスニング機会を多く創出したり、ビジュアルかつアクティブな授業で実践的な学びを行っています。
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数学の授業では、ノートに書かれた答案を書画カメラで写し、画面上で添削します。
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みんなの考えを書き込むと、ディスカッションに発展する授業になります。
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社会の授業などでは、書画カメラで様々な資料集を電子黒板に映し、ポイントをマーキングしながら対話的に進行します。たくさんの視覚資料を活用して考える時間を最大化しています。
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理科の授業では、デジタル教材を活用して映像視聴したりシミュレーションを行ったりします。また、ICT教室で一人一台ノートPCを活用し調べ学習などの課題に取り組み、主体的に深い学びを行います。
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電子黒板はプレゼンに欠かすことができません。紙のレポートでも書画カメラで投影することができますので、この方法を様々な教科で採用し、表現力を養います。
校内システム
Wi-Fi開放と情報モラル教育
本校は2019年2月より、全教室内・体育館・グラウンド全域で使用できる高速無線LAN(Wi-Fi)を生徒に開放しました。全生徒が個人のスマホ等でインターネットを使用する際に、学校が提供するWi-Fiを利用することができます。
この日に至るまでには、技術的な課題と運用上の課題(特に生徒指導上の課題)をクリアする必要がありました。技術的な課題とは、速度低下を防ぐ負荷分散やセキュリティなどがあり、先進的な機器・システムを設計構築することで解決しました。運用上の課題は、生徒の影響を長所と短所の部分で評価し、職員会議や生徒会委員会で半年以上かけて検討するなど、環境整備ありきではない議論を慎重に進めてきました。
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長所
- 学校で導入しているClassi(実力テスト結果照会、動画学習サービス、ポートフォリオ作成などで活用)や、進路情報サイトの積極的活用が可能になる
- 無秩序なネット利用から、学習ツールとして有効利用する習慣が身につけられる
- ICT利活用が促進され、新しいアイデアのデザインや実現につながる
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短所
- スマホ依存を助長する可能性がある(学力向上、人間力向上に悪影響を及ぼす可能性)
こういった議論を経て、スタート時点では、利用目的や時間、場所についてはこれまでの携帯電話の使用ルールを踏襲しました。そして、生徒の自主性を育むべく、生徒の反応を見ながらルールの緩和をしていく方向となりました。
一部の授業では、授業中にスマホを利用し(持ち合わせていない生徒にはノートPCを貸出)、その場で調査・発表を行うなど、「主体的」「深い学び」につなげています。
4月の総合学習では、鹿嶋警察署生活安全課とスクールサポーターのご協力をいただき、スマートフォンで多くの高校生が利用しているSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用に関する講話を聞きました。
便利なはずの環境がマイナスにはたらく結果にならないよう、各自がスマートフォンの利用に細心の注意を払うよう指導をしていきます。
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昨今、常識を超えるようなSNS上の投稿が社会問題になっています。また、本校では数年前までは携帯電話の持ち込みを禁止していました。しかし、デジタルネイティブともいわれる子供たちに向き合うために、教育現場において、モラルも含めた情報活用能力や表現力を育むことはもちろんのこと、SNSやスマホ依存といったリスクマネジメントの感性を養うことの重要性を実感し、今日に至っております。
本校の取組みにご理解いただき、ご支援いただければと思います。