1・2年生保護者対象 進路講演会 参加レポート
在校生保護者
5月18日(土)、PTA総会・クラス懇談会(詳細はコチラ) が行われた後、体育館にて来年度から始まる新入試を焦点にした進路講演会を行いました。
今回の講演のキーワードは「主体性」(=自己を認識して振り返りながら修正して次の行動に移す力)、それを育む問いかけのキーワードは「なぜ?」。これから社会に求められる力と大学入試改革の概要について、またこの2点の密接な関係について、株式会社リクルートホールディングス様より講師をお招きして講演を行っていただきました。
■これから求められる力
社会が工業化社会から知識基盤社会へ変化するにあたり、「競争」から新しい価値の「共創」へシフトが起こっており、そのために一人一人にリーダシップが求められ、異文化の中で多様性を容認できるマインドも必要になってきました。そういった力を身につけるためには「教える」の一辺倒ではなく、子供の言葉に対して「なるほど」と自己肯定感をもたせたうえで、「なぜ?」と問いかけるコーチングが重要だということでした。
この点については、ICTを活用するなど以前より授業の密度を高めて教えるだけで終わらないような授業改革の取り組みを行ったり、スポーツを通した人間力の育成、留学生を受け入れた国際感覚の醸成など、本校の教育活動の方向性と合致していると思いました。
また、学びは高校時代で終わるものではなく、人生において主体的な学びと自己成長は常に必要で、生徒時代の学びは先生とともに主体的な学び方を習得する練習の期間という話がありました。高校3年間がこれを育むうえでいかに大事な時期か改めて感じさせられます。経団連が発表した新卒採用で重視するものは、1位コミュニケーション能力、2位主体性、3位チャレンジ精神、ということですが、やってみないとわからないことが多くなっている、そんな社会が求める能力が「主体性」「チャレンジ精神」であり、周囲からアドバイスをもらえる関係性を作れる能力として「コミュニケーション力」なのだろうと考えられます。
■大学入試改革の概要
「大学入試センター試験」は「大学入学共通テスト」に変わりますが、特徴としては、設問形式が「一つ選べ」から「二つ選べ」「すべて選べ」といったものになったり、一部に記述式問題、時間の延長、英語4技能を図るために民間試験を活用すること、次のように「入試」という言葉が「選抜」に変わることなどが挙げられます。
「一般入試」は「一般選抜」に変わり、筆記試験だけでなく調査書も選抜に使われる
「AO入試」は「総合型選抜」に変わり、本人が書く資料(活動報告書など)と調査書が重視される
「推薦入試」は「学校推薦型選抜」に変わり、共通テストか大学が課す課題のいずれかを必須とすることが義務付けられる
個人をより細かく見ていく選抜にシフトしていくのは、各大学が求める学生と受験生の志望とのミスマッチをなくしたいという狙いがあります。今後は「一般選抜」より「総合型選抜」「学校推薦型選抜」の方に比重が置かれ、合格者数も逆転すると言われています。
最後に、子供たちが自分の進路を考えたとき、その約半数が技術改革の普及・発達の影響、社会・経済のグローバル化の影響を感じている、という調査結果が示され、保護者は「保護者」ではなく「自立支援者」というスタンスが望まれるという提案がありました。とすると教職員も「教員」ではなく「自立支援員」というスタンスになるのだろうと思います。
今後10~20年で、今ある47%の仕事が人工知能やロボットに置き換わり自動化される― という予測があるそうです。来年度から入試制度が変わることに対して、学校として身構えてしまいがちなのですが、社会が変化していくならば、それを予測して教育もかわる必要がある、自ずとそれを評価する大学選抜制度、就職選抜制度もかわる、と考えれば、ミッションが増えることは大変ですが、子供たちの成長にとってプラスになるに違いありません。
今回の講演会は、単なる大学入試改革の情報提供の場ではなく、視野を広げて子供たちが将来社会に求められる力について教職員と保護者が共通理解する機会となりました。これによって、今後の制度変更に対応していく中で、より説得力のある後押しが子供たちにできるのではないかと考えています。
また、変化し続けてきた社会、また、これからも変化し続けていく社会を客観的に分析しているエキスパートの方からお話をしていただくことで、学校の課題として解決を図ろうとするだけではなく、課題意識を高めて本質的なことに目を向けることができたと感じています。
本日は100名を超えるたくさんのご参加をいただきました。ありがとうございました。
今回の講演のキーワードは「主体性」(=自己を認識して振り返りながら修正して次の行動に移す力)、それを育む問いかけのキーワードは「なぜ?」。これから社会に求められる力と大学入試改革の概要について、またこの2点の密接な関係について、株式会社リクルートホールディングス様より講師をお招きして講演を行っていただきました。
■これから求められる力
社会が工業化社会から知識基盤社会へ変化するにあたり、「競争」から新しい価値の「共創」へシフトが起こっており、そのために一人一人にリーダシップが求められ、異文化の中で多様性を容認できるマインドも必要になってきました。そういった力を身につけるためには「教える」の一辺倒ではなく、子供の言葉に対して「なるほど」と自己肯定感をもたせたうえで、「なぜ?」と問いかけるコーチングが重要だということでした。
この点については、ICTを活用するなど以前より授業の密度を高めて教えるだけで終わらないような授業改革の取り組みを行ったり、スポーツを通した人間力の育成、留学生を受け入れた国際感覚の醸成など、本校の教育活動の方向性と合致していると思いました。
また、学びは高校時代で終わるものではなく、人生において主体的な学びと自己成長は常に必要で、生徒時代の学びは先生とともに主体的な学び方を習得する練習の期間という話がありました。高校3年間がこれを育むうえでいかに大事な時期か改めて感じさせられます。経団連が発表した新卒採用で重視するものは、1位コミュニケーション能力、2位主体性、3位チャレンジ精神、ということですが、やってみないとわからないことが多くなっている、そんな社会が求める能力が「主体性」「チャレンジ精神」であり、周囲からアドバイスをもらえる関係性を作れる能力として「コミュニケーション力」なのだろうと考えられます。
■大学入試改革の概要
「大学入試センター試験」は「大学入学共通テスト」に変わりますが、特徴としては、設問形式が「一つ選べ」から「二つ選べ」「すべて選べ」といったものになったり、一部に記述式問題、時間の延長、英語4技能を図るために民間試験を活用すること、次のように「入試」という言葉が「選抜」に変わることなどが挙げられます。
「一般入試」は「一般選抜」に変わり、筆記試験だけでなく調査書も選抜に使われる
「AO入試」は「総合型選抜」に変わり、本人が書く資料(活動報告書など)と調査書が重視される
「推薦入試」は「学校推薦型選抜」に変わり、共通テストか大学が課す課題のいずれかを必須とすることが義務付けられる
個人をより細かく見ていく選抜にシフトしていくのは、各大学が求める学生と受験生の志望とのミスマッチをなくしたいという狙いがあります。今後は「一般選抜」より「総合型選抜」「学校推薦型選抜」の方に比重が置かれ、合格者数も逆転すると言われています。
最後に、子供たちが自分の進路を考えたとき、その約半数が技術改革の普及・発達の影響、社会・経済のグローバル化の影響を感じている、という調査結果が示され、保護者は「保護者」ではなく「自立支援者」というスタンスが望まれるという提案がありました。とすると教職員も「教員」ではなく「自立支援員」というスタンスになるのだろうと思います。
今後10~20年で、今ある47%の仕事が人工知能やロボットに置き換わり自動化される― という予測があるそうです。来年度から入試制度が変わることに対して、学校として身構えてしまいがちなのですが、社会が変化していくならば、それを予測して教育もかわる必要がある、自ずとそれを評価する大学選抜制度、就職選抜制度もかわる、と考えれば、ミッションが増えることは大変ですが、子供たちの成長にとってプラスになるに違いありません。
今回の講演会は、単なる大学入試改革の情報提供の場ではなく、視野を広げて子供たちが将来社会に求められる力について教職員と保護者が共通理解する機会となりました。これによって、今後の制度変更に対応していく中で、より説得力のある後押しが子供たちにできるのではないかと考えています。
また、変化し続けてきた社会、また、これからも変化し続けていく社会を客観的に分析しているエキスパートの方からお話をしていただくことで、学校の課題として解決を図ろうとするだけではなく、課題意識を高めて本質的なことに目を向けることができたと感じています。
本日は100名を超えるたくさんのご参加をいただきました。ありがとうございました。